『情義我心知』

買ったまま寝かせているDVDの山（笑）。
その中から、なぜだかものすごく見たくなって引っ張り出したのが『情義我心知』。
黎明と杜汶澤（チャップマン・トー）の主演作。

仕事から帰ってきたのは十分遅い時間だったのですが、それから見てしまいました。

ストーリーはネット上にも随分上がっていますので、割愛するとして……、
見終わった感想は、「この映画、好き」（笑）。

名作というのではないですが、好きですね。

＊『情義我心知』オフィシャル
　http://www.moonlightintokyo.com/

リヨン扮する子俊は軽度の知的障害者。
知的障害者というのは演じるにはかなり難しい役だと思うのですが、
決してオーバーにならず、「知的障害者の李子俊」ではなく「李子俊」を
しっかり演じていたと思います。
もともと、この映画については、最初からリヨンがホスト役を演じるというので
かなり期待していたんですね。
あまりにもはまり役ではないかと思いました（笑）。
実際にはホストと言っても出張ホストというのでしょうか、なので
お店で接客なんてシーンはないんですが、それでもさすがリヨン（笑）、
見事なホストぶりでしたね。

そして良い味出していたのが杜汶澤。
さすがというか何と言うか。
彼が演じる黄海は子俊を騙してホストにして働かせて、そのお金で
自分の借金を返そうとするわけですが、阿俊の愚直さというか純粋さに
彼に心を開いていくんですよね。
利用する者とされる者という関係が、いつの間にか親友というか
特別な関係になっていくのが見ていて気持ちよかったです。

ラストは正直「なぜ？」という感じ。
香港映画らしいラストではありますが、ハッピーエンドでOKだったでしょうに。
なぜ？
みにくいアヒルの子や白鳥の湖がモチーフとして用いられていることもあるのか
全体にメルヘンっていう感じの映画なのですが、ラストだけ妙に殺伐…。
このラストも、ある意味メルヘンなのかもしれませんが…。

とにかく映画を見ている間中、思っていたのは阿俊を抱きしめてあげたい
ってこと。
メイキングで杜汶澤が話してましたが、阿俊って天使みたいなんですよね。
その阿俊は、自分が抱きしめてあげると相手は喜ぶけど、
自分が知的障害者だと知ると誰ももう自分を抱きしめてくれない
って悲しそうに言うんですね。
それが辛くて、本当に彼を抱きしめてあげたかったです。
ついでに抱きしめて欲しいですが（笑）。

女性とのシーンはさすがリヨン！という様子で。
どんな役を演じても、リヨンはリヨンですね（笑）。

とにかく名作、傑作と言うのではないですが、気持ちが温かくなる
そんな大人のメルヘンっていう感じでした。